業界別の離職率一覧【最新】厚労省データで16産業を比較

この記事でわかること

  • 離職率は業界で最大3.4倍の差があり、同じ10%でも業界が違えば高い・低いの評価は逆転する
  • 厚労省の令和7年データによる16産業の離職率一覧と、離職率が高い業界・低い業界それぞれのトップ5
  • 一般労働者とパートタイムで離職率は大きく変わるため、雇用形態を分けて同業の平均と比べる
  • 前年(令和6年)からの業界別離職率の推移と、業界別データを自社の離職率に活かす3ステップ

厚労省の令和7年データで16産業の離職率を比較し、同業との比べ方を解説します。

離職率は、業界によって最大3.4倍の差があります。同じ「離職率10%」でも、平均が低い業界では高く、平均が高い業界では低いと評価が逆転します。自社の数値を正しく読むには、全国平均ではなく「同じ業界の平均」と比べる必要があるでしょう。

この記事では、業界別の離職率を厚生労働省の最新統計で一覧化して解説します。令和7年(2025年)の数値で、16産業すべての離職率、高い業界・低い業界のランキング、前年からの推移までを表で紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 離職率は業界で最大3.4倍の差がある

最新の令和7年(2025年)データでは、一般労働者(パートを除く正社員等)の離職率は全産業平均で11.4%でした※1。業界別に見ると、最も低い「金融業,保険業」は6.3%、最も高い「宿泊業,飲食サービス業」は21.5%です※1。両者の差は約3.4倍に達します。

この差は、業界ごとの働き方の違い(接客の比率、シフト勤務、専門性、長期雇用の前提など)を反映したものです。「離職率が平均より高い=悪い会社」と早合点せず、まず自社の業界の水準を知りましょう。

※1 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

業界平均と比べるときにそろえる3点

離職率の数値は、雇用形態・対象期間・集計主体によって水準が変わります。読み違えを避けるために、自社の数値と業界平均では次の3点をそろえる必要があります。

そろえる項目基準理由
雇用形態一般労働者(正社員等)正社員中心の会社が比べやすい。パート込みの数値とは水準が異なる
対象期間1年間(暦年)雇用動向調査の定義に合わせる
集計主体厚生労働省「雇用動向調査」公的統計で全国・全業界を横断比較できる

以降の一覧は、この3点をそろえた一般労働者の数値です。

2. 業界別の離職率一覧(16産業・最新)

厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」をもとに、16の主要産業すべての離職率(一般労働者・令和7年=2025年)を、低い順に並べたものが次の表です※2。

16産業の離職率(低い順)

順位産業離職率(一般労働者)
1金融業,保険業6.3%
2複合サービス事業7.7%
3建設業7.9%
4電気・ガス・熱供給・水道業8.0%
5運輸業,郵便業8.1%
6卸売業,小売業8.5%
7製造業9.2%
8鉱業,採石業,砂利採取業9.8%
9教育,学習支援業9.8%
10情報通信業10.0%
11学術研究,専門・技術サービス業10.0%
12不動産業,物品賃貸業10.5%
全産業平均11.4%
13医療,福祉13.6%
14生活関連サービス業,娯楽業16.1%
15サービス業(他に分類されないもの)20.3%
16宿泊業,飲食サービス業21.5%

順位は、全産業平均を除いた16産業内の順位です。離職率は「離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100」で算出します※2。また、この調査は5人以上の常用労働者を雇用する事業所を対象に、日本標準産業分類の16大産業について実施されています※2。

※2 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

3. 離職率が高い業界トップ5

令和7年(2025年)の一般労働者データでは、離職率が高い上位5業界は次のとおりです※3。上位4業界は全産業平均(11.4%)を大きく上回ります。

順位産業離職率(一般労働者)全産業平均との差
1宿泊業,飲食サービス業21.5%+10.1ポイント
2サービス業(他に分類されないもの)20.3%+8.9ポイント
3生活関連サービス業,娯楽業16.1%+4.7ポイント
4医療,福祉13.6%+2.2ポイント
5不動産業,物品賃貸業10.5%▲0.9ポイント

※3 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

上位を占めるのは、宿泊・飲食、生活関連・娯楽、その他サービス業といった、対面でのサービス提供を担う業界です。シフト勤務や繁閑の差が大きく、未経験からの入職も多いことから、人の出入りが活発になりやすい構造があります。医療・福祉も、慢性的な人手不足を背景に平均を上回ります。

これらの業界では、離職率が平均より高いこと自体は珍しくありません。見るべきなのは「業界平均と比べて自社はどうか」「業界のなかでもとくに辞めやすい層はどこか」の2点です。

なお、ここで挙げた数値は正社員等の一般労働者に限ったものです。パートタイム労働者を含めると、宿泊・飲食やサービス業ではさらに高くなります。

業界として離職率が高くても、施策で改善の余地は十分にあります。離職が起きやすい構造への具体的な対策は「離職防止の施策15選|コスト別・効果が出る順に解説」で紹介しています。

4. 離職率が低い業界トップ5

反対に、離職率が低い上位5業界(一般労働者・令和7年)は次のとおりです※4。

順位産業離職率(一般労働者)全産業平均との差
1金融業,保険業6.3%▲5.1ポイント
2複合サービス事業7.7%▲3.7ポイント
3建設業7.9%▲3.5ポイント
4電気・ガス・熱供給・水道業8.0%▲3.4ポイント
5運輸業,郵便業8.1%▲3.3ポイント

複合サービス事業には郵便局・協同組合などが含まれます※4。

離職率が低い業界に共通するのは、設備や専門資格を前提とし、長期雇用・年功的な処遇が根付いている点です。金融・保険、電気ガス、建設業などは、教育投資が大きく定着を前提とした人事制度を持つことが多いため、離職率が低めに出やすい傾向があります。

ただし、離職率が低ければ健全とも限りません。離職率が極端に低い場合、人材の流動性が乏しく、組織が硬直化しているサインのこともあります。自社の数値は、高すぎないかだけでなく「適正な範囲におさまっているか」も確認しましょう。

※4 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

5. 雇用形態で離職率は変わる(一般労働者とパートタイム)

一般労働者とパートタイム労働者では、同じ業界でも離職率の水準が違います。パートタイム労働者の離職率のほうが高く出やすい、自社にパート・アルバイトが多い場合は、両者を分けて見る必要があります。

令和7年の全産業平均で比べると、雇用形態によって離職率は次のように異なります※5。

区分(令和7年・全産業)離職率
一般労働者11.4%
パートタイム労働者19.9%
全体(常用労働者計)13.7%

全体の13.7%という数字には、離職率の高いパートタイム労働者(19.9%)が含まれています。よく目にする「離職率の平均は約15%」という表現はこの全体値に近く、正社員中心の会社が自社と比べる相手としては高すぎる場合があります。正社員の定着を評価したいなら、一般労働者の数値(全産業11.4%)を基準にしましょう。

離職率がとくに高い業界では、パートタイム労働者の離職率はさらに上がります。令和7年の宿泊業,飲食サービス業ではパートタイム労働者の離職率が25.0%、サービス業(他に分類されないもの)が23.8%でした※5。接客・サービス業でパート比率が高い会社ほど、全体の離職率は高めに出る点を踏まえて読みましょう。

※5 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

6. 業界別・職種別・地域別は切り口が違う

離職率のランキングには、業界別(産業別)のほかに職種別・地域別のものもあります。これらは切り口が異なるため、自社の状況と比べるときは区別が必要です。

雇用動向調査の業界別(産業別)区分は、勤め先の企業がどの産業に属するかで分類したものです※6。同じ営業職でも、勤め先が製造業なら製造業の数値に、サービス業ならサービス業の数値に含まれます。職種別(営業・事務・技術職など)や地域別(都道府県別)の集計は、産業別とは別の切り口でおこなわれる統計です。

自社の離職率を業界平均と比べるときは、産業別×雇用形態(一般労働者・パート・常用計)をそろえることが基準になります。職種を軸にした情報と、業界平均を単純に混同しないよう注意しましょう。

※6 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

7. 業界別離職率の推移|前年(令和6年)との比較

離職率は単年だけでなく、推移で見ると業界の傾向がつかめます。離職率が高い主な業界について、令和6年(2024年)と令和7年(2025年)の一般労働者の離職率を比較しました※7※8。

主要業界の前年比較

産業(一般労働者)令和6年(2024)令和7年(2025)
宿泊業,飲食サービス業18.1%21.5%
サービス業(他に分類されないもの)19.0%20.3%
生活関連サービス業,娯楽業16.9%16.1%
医療,福祉13.1%13.6%
全産業平均11.5%11.4%

全産業平均は、令和6年の11.5%から令和7年は11.4%とほぼ横ばいでした。会社全体(常用労働者計)の離職率は、令和6年の14.2%から令和7年は13.7%へと0.5ポイント下がっています※7。一方、離職率が高い業界では、宿泊業,飲食サービス業のように上昇したケースも見られます。

※7 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)
※8 出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

8. 業界別データを自社に活かす3ステップ

業界別の離職率は、眺めるだけでは自社の改善につながりません。次の3ステップで活用することを意識しましょう。

  1. 自社の離職率を正しく計算する:分母(起算日の在籍者数)と分子(1年間の離職者数)をそろえ、雇用形態の範囲を明確にする。計算式と具体例は「離職率の計算方法とは|計算式・平均値を厚労省データで解説」で確認できる
  2. 同じ業界・雇用形態の平均と比べる:全国平均ではなく、この記事の一覧で自社の業界の数値と照らし合わせる。正社員中心なら一般労働者の数値を使う
  3. 差の要因を分析し、施策につなげる:業界平均より離職率が高い場合は、いつ・どこで・誰が辞めているかを分解し、原因を特定したうえで防止策を講じる

業界平均より離職率が高い場合、その背景には待遇・人間関係・評価・成長機会など複数の要因が重なっている場合があります。原因のパターンと見極め方は「離職率が高い原因7つ|会社の特徴と防止策を解説」で整理しています。

9. 業界別の離職率に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、業界別の離職率についてのよくある質問に回答します。

A. 令和7年(2025年)の一般労働者では、「宿泊業,飲食サービス業」が21.5%で最も高い水準でした※9。次いでサービス業(他に分類されないもの)(20.3%)、生活関連サービス業,娯楽業(16.1%)の順です。対面サービスやシフト勤務の比率が高い業界で高くなる傾向があります。

A. 同じ令和7年の一般労働者では、金融業,保険業(6.3%)、複合サービス事業(7.7%)、建設業(7.9%)が低い水準でした※9。専門性が高く、長期雇用を前提とする業界で低くなる傾向があります。

A. 令和7年の全産業平均は、一般労働者11.4%、パートタイム労働者19.9%、常用労働者計13.7%です※9。正社員中心の会社は、一般労働者の11.4%と比べると実態に近い評価ができます。

A. 厚生労働省の雇用動向調査が、全国・全業界を横断して入職率・離職率を公表する代表的な公的統計です※9。毎年公表されるため、最新年の結果を確認するのが基本です。

A. 雇用形態と対象期間をそろえることです。業界別数値は一般労働者とパートタイム労働者で大きく異なり、全体値(令和7年13.7%)にはパートが含まれます※9。正社員中心の会社は、一般労働者の数値(全産業11.4%)と比べると実態に近づきます。

A. 自社の高さが「業界の構造によるもの」か「自社固有の問題」かを切り分けるところから入ります。業界平均との差が小さければ構造要因の比重が大きく、差が大きければ自社側に原因があると考えられます。差が大きいときは、勤続年数・部署・入社経路など辞めている層を絞り込み、原因に合った施策を選びましょう。

※9 出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(2026年9月26日閲覧)

まとめ

業界平均は、自社の良し悪しを決めるための数字ではありません。自社の離職率がその水準からどれだけ離れているかを見れば、原因を業界の構造と自社の課題に切り分けられます。切り分けができれば、次に手を入れる場所はおのずと絞られるはずです。一覧を確認しながら自社の状況することから始めてみてください。


この記事をシェア

週1回配信無料メルマガ

他社の運用失敗事例と解決策が、毎週届く

人事担当者の課題を解決する情報を多数掲載。失敗事例・最新調査・SaaS比較情報を厳選してお届けします。

無料で登録する

この記事の課題を解決できるサービスを比較する

離職率改善に役立つSaaSを中立的に比較。気になるサービスの資料を一括で請求できます。

エンゲージメント向上ツールの資料を請求する

※資料請求の完了と同時に、BOXIL会員への登録が行われます。

関連する記事

注目されている課題

毎週メールマガジン配信中

今すぐ会員登録(無料)